沼田本郷夏祭り

 近所のおばちゃん3人集が話しているのを聞いた。「今年の抽選会の景品少なかったわよねぇ」「そうそう。○○(例年なら出る景品)なんかもなかったし」「そういえば、花火も寂しかったわよねぇ」「2006発って書いてあったのにねぇ」。沼田本郷夏祭りの帰りのことである。地元の祭りが年々寂しくなっていくのを再確認したようで悲しい。

 事実、この夏祭りは年々寂しくなっている。昔は、商店街の端から端まで露店がひしめいていたものだ。それが今では、露店が出現する範囲が全盛期の半分くらいになっている。その密度も非常に下がった。昔は所狭しと屋台が並んだものだが、今では数十メートルおきにポツンポツンとたっていだけである。

 おそらく、不景気などで予算が減少しているのだろう。今後も、三原市に吸収されたことで、本郷町に自由になる予算はどんどん少なくなっていくだろう。このような背景では、「維持」だけを考えて「例年と同じこと」をしていては、祭りがショボくなっていくのは明白だ。

 これからは「限られた予算で、いかにしてこの祭りを楽しいものにするか」を考えていかなければならない。名古屋港スターライトのように、一度は消滅の危機に扮しながらも、見事に復活した例もある。

 そのためには、「良い戦略」+「モチベーション」が必要である。「良い戦略」という観点から言えば、全国の先進的な祭・花火大会の良所を理解し、自分の大会がもつような資産の下で実現できる「おもしろい」ものを探し、企画するといったことが考えられる。「モチベーション」という観点から言えば、「この祭は危機に扮している。我々が生まれ育ったこの町の祭を何としても復活させたい!」と思っているような人材を集めるということである。

 商工会の長老たちではなく、この「良い戦略」+「モチベーション」が実現できるような人材に祭の実行委員会を任せてこそ、祭は輝きを取り戻すのではなかろうか。それを実現できるチームを組み、祭を面白いものにするのが、私の将来の人生の目標でもある。

 NPO法人という形の働きかけでもいい。商工会長という立場でもいい。どのような形でのアプローチになるか分からないが、本郷夏祭りの実行委員長に私はなる! そして、地元の人々が元気になれるような祭にする!! 青いかもしれないが、ここ数年を見ていると本気でそういう思いを持ってきた。その思いを確認できただけでも少しは価値があった。



 花火? 祭自体が落ち目なのに、いいのが上がるはず無いですよw
 20分に縮小するという工夫は面白いと思ったが、実際始まってみると打上密度はそれほど変わっていない印象を受けた。時間短縮に合わせて打上総数も減っているのではなかろうか?
 質もひどい。まともといえる花火玉は全体を通して5つあるかどうかというところ。昔はテーマ性のある綺麗な花火も見られたのに、今ではただ何も考えず打ち上げているだけ・・・ 小型煙火もむちゃくちゃ適当に登場しまくりだw ハナビスキーとしては悲しくなるばかりですよ。
 フィナーレだけは、ピカピカ光らせたりドンッドンッと大きな音を出して、迫力だけはあった。しかし、冒頭のおばちゃんの会話にも見られるように、それだけではごまかせなくなってきているのかもしれない。観客も少し沸いたが、それほどの反応でもなかった。
 地元の美しい花火大会を取り戻したい! ということを痛感させるに足る花火大会だったといえよう。